水彩紙の選び方と仕上がりの違い
水彩で描くとき、絵の具の選び方と同じくらい紙の選び方が仕上がりに影響します。同じ絵の具を使っても、紙が変わると発色も乾き方も変わります。ワークショップでよく聞かれる質問の一つが「どの紙を使えばいいか」なので、基本的な考え方をまとめました。
コットン紙と木材パルプ紙の違い
水彩紙は大きく分けて、コットン(綿)を原料とするものと、木材パルプを原料とするものがあります。コットン紙は水を吸収する力が強く、絵の具がゆっくり乾くため、にじみや色の混ざりをコントロールしやすいです。長期保存でも変色しにくい特性があります。
木材パルプ紙はコットン紙より安価で、練習用や下書き用に向いています。水の吸収が早く、絵の具が乾くのも速いため、にじみを活かした技法には向きません。ただし、乾いてから重ね塗りする技法では十分な結果が得られます。
表面の粗さによる描き味の違い
水彩紙には表面の粗さによって「細目(ホットプレス)」「中目(コールドプレス)」「荒目(ラフ)」の三種類があります。細目は表面が滑らかで、細かい線や細部の描写に向いています。ペン画と組み合わせる場合は細目が描きやすいです。
中目は最も汎用性が高く、にじみも出しやすく、細部も描けます。初めて水彩紙を選ぶ場合は中目から試すことをお勧めします。荒目は表面の凹凸が大きく、絵の具が凸部に乗って独特のテクスチャーが出ます。風景画や大きな面積を塗る場合に向いています。
仕事で使う紙の選び方
仕事のイラストでは、スキャンして使用することを前提に紙を選びます。表面の凹凸が大きい荒目の紙は、スキャン時に影が出やすく、データ処理に手間がかかることがあります。書籍挿絵やパッケージ用のイラストには、中目または細目のコットン紙を使うことが多いです。
国内で入手しやすいコットン紙としては、フランスやイギリスのメーカーのものが画材店で扱われています。岡山市内の画材店でも取り寄せが可能ですので、試してみたい銘柄があれば相談してみてください。
紙の違いは実際に触って描いてみないとわからない部分が多いです。ワークショップでは数種類の紙を用意して、描き比べてもらう時間を設けています。