秋の植物をスケッチするときに意識していること
秋は植物スケッチに向いている季節です。夏の緑一色とは違い、枯れかけた葉の色、実の形、穂の質感など、描くべき要素が豊富にあります。ワークショップでも秋のモチーフは参加者の方に好評で、初めて描く方でも形が取りやすいものが多いです。
ススキの穂は「一本ずつ」描かない
ススキの穂を描くとき、一本一本の細い線を丁寧に描こうとすると、かえって硬い印象になります。穂全体の「塊」としての形を先に捉え、その中に線を重ねていく方が自然な仕上がりになります。
水彩で穂の色(薄い金色や茶色)を先に置いてから、乾いた後にペンで線を重ねる方法も有効です。色の面の上に線を重ねることで、穂の透け感が出やすくなります。
コスモスは「花びらの重なり」を意識する
コスモスの花びらは薄く、光が透けます。水彩で描く場合、花びらの色は薄めに溶いて、重なっている部分だけ少し濃くすると透け感が出ます。花びらの枚数を正確に描くより、重なりの印象を大切にする方が、コスモスらしい軽さが出ます。
茎は細く長く、少しだけ曲がっています。定規を使わず、手の動きに任せて引いた線の方が、コスモスの茎らしい柔らかさが出ます。
ドングリは「帽子」の質感が肝
ドングリを描くとき、多くの方が実の部分に集中しますが、帽子(殻斗)の質感が絵の印象を左右します。帽子のうろこ状の模様は、細かく描き込みすぎると重くなります。ペンで軽く点を打つ程度に留め、水彩で影を入れる方が立体感が出やすいです。
実の部分は楕円形ですが、完全な楕円より少し先端が尖った形の方がドングリらしく見えます。光が当たる部分を白く残し、影の部分に薄い茶色を重ねると丸みが出ます。
秋の植物は形が多様で、一つのスケッチブックに並べるだけで季節の記録になります。11月のワークショップでも、これらのモチーフを使う予定です。